おばあちゃんの短歌
岩田佐世-胞子葉より
還らぬ子
還り来ず便もあらぬ吾子の上を何と祈らむ南無観世音菩薩
夕暮れて冬鳥の声鳴き渡れこの野に吾子の還り住まはず
遺骨となりて帰り来るべき吾子のこと思い耐へつつ稲刈り急ぐ
野仕事に慣れざるわれをいたはりて少年にて吾子はよく働きき
白き箱に包まれて吾子の帰還り来つ一目は見しが部屋に逃れぬ
戦ひ病みて草の塩煮もサゴの粉も食べざりしといふあはれ亡き吾子
岩田佐世-胞子葉より
還らぬ子
還り来ず便もあらぬ吾子の上を何と祈らむ南無観世音菩薩
夕暮れて冬鳥の声鳴き渡れこの野に吾子の還り住まはず
遺骨となりて帰り来るべき吾子のこと思い耐へつつ稲刈り急ぐ
野仕事に慣れざるわれをいたはりて少年にて吾子はよく働きき
白き箱に包まれて吾子の帰還り来つ一目は見しが部屋に逃れぬ
戦ひ病みて草の塩煮もサゴの粉も食べざりしといふあはれ亡き吾子