戦争の花


戦争の花を咲かそう
大きな大きな花を

うっとうしい毎日。TVを灯ければ誰かが死んでる。
誰かが嘘を言っている。
誰かが泣いている。
子供はやせ細って死んでいき。
借金を抱えた親父は一家心中。

そうだ、戦争へ行こう。
戦争へ行って花をさかそう。
大きな大きな花を。
きっとスッキリするはず。


でも何処へ行けば戦争がある?
自衛隊か?
市役所に行ってみようか。
コンビニに売ってるかな?

戦争の花はどうやって咲くんだ?
花が咲くには種がいる。
種は何処だ、どこに有る?
戦争の種は何処だろう。

昔、ジョンは言ってた。
「平和」は「想像」だと。
だとしたら戦争の種はその反対のものなんだきっと。
そうか、「想像」しないこと。そう、「無関心」や「思考停止」。
だったら僕にも有る。いつもある、どこでもある。
気がつけばいつも戦争していたんだ。

そうか、あの戦争は大統領や総統とか首領がまいた種じゃなく
僕が蒔いたんだきっと。毎日、毎日、僕が蒔いていたんだ。
大統領や総統や首領さんたちは、花を収穫しただけ。
種を蒔くのは僕の仕事。


今日もたくさんの人が死んだ。
僕の蒔いた種で死んでいった。
兵士や大人、子供まで沢山殺した。
僕の蒔いた戦争の花の種で殺したんだ。


2003.11.29 (C)Xou