正義
小学校6年生のある日の道徳の授業を今でも覚えてる。
たしか、6年生の子供に善悪の区別を教えるという、単純だけれども大切な授業だった。
しかし、そこで僕は先生に食ってかかった。
「善だと言われている人から見れば悪は悪だろうけれど、悪と言われている人から見れば悪は善ではないか。」
そういう意味の事だった。全くもって鼻持ちならない子供だった。
これは色んな角度から物事を見る事の弊害で。一見論理性があるように見えて実は論点の立脚地点がずれている為に間違いを起している。
子供だから仕方が無い。
ダライ・ラマが来日した時にTVのインタビューに答えた一幕。
インタビューア「人をなぜ殺してはいけないかの答えは?」
ダライ・ラマ「それは殺してはいけないから。」
この馬鹿みたいに単純な言葉のなんと明確な事か。
間違いを起した小学6年の僕。たしかに道徳の授業的には間違いだった。
しかし、これを今の世界の中で考えてみるとあながち間違いと言い切れない部分も多々ある。
人が虎を殺そうとする場合には、人はそれをスポーツだといい、 虎が人を殺そうとする場合には、人はそれを獰猛だという。 罪悪と正義の区別も、まあそんなものだ。 バーナード・ショー |
2005.03.28 (C)Xou